【幻の古代遺跡】今や訪れることが叶わない「ミャウウー」深霧に包まれた寺院群の記録

ミャウウー(mrauk-u)
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📅 訪問・撮影時期:2020年1月

二〇二〇年一月、ミャウウー。かつてアラカン王朝の栄光を刻んだ古都は、いまも紛争と混迷の渦中にあった。崩れかけた寺院群の静寂の奥に重い歴史の息遣いを感じながら、私はただ風の中に佇んでいた

霧の深奥に眠る古代王国「ミャウウー(Mrauk U)」とは?

ミャウウーは、ミャンマー西部ラカイン州の深部に位置し、15世紀から18世紀にかけてアラカン(ムラウック)王国の首都として繁栄を極めた古代都市です。バガンのような広大な平原とは異なり、緑豊かな丘陵や渓谷に要塞のような石造りの寺院や仏塔が点在し、朝霧の中に幻影のように浮かび上がる姿は「ミャンマー最高の秘境」と称されてきました。

2020年1月、奇跡的に収めた朝霧と静寂の遺跡群

静けさが伝わる写真を配置します)

私が現地を訪れた2020年1月は、まだかろうじて足を踏み入れることができた貴重なタイミングでした。朝もやの中からゆっくりと姿を現す漆黒の要塞寺院「コータウン・パゴダ」や、丘の上に佇む仏塔群。朝の静寂の中で風鈴(風鐸)の音だけが響くその光景は、息をのむほど神聖で美しく、心に深く刻まれています。

二度と戻らないかもしれない風景――情勢悪化と「今」訪問することの難しさ

ミャウウー周辺は、宗教的・民族的な背景から古くから非常に繊細な地域であり、近年では国内の政情悪化や国軍と少数民族武装勢力との激しい戦闘が激化。治安の悪化とともに観光客の立ち入りは完全に閉ざされ、外務省からも厳しい渡航中止勧告が出されています。

豊かな文化と人々の祈りが息づいていたあの場所が、いまや戦火や政治の混沌に巻き込まれている現実は胸が締め付けられる思いです。現地でカメラを向けさせてくれた人々の平安と、この貴重な歴史遺産が破壊されずに未来へ遺ることを願ってやみません。今となっては「もう二度と撮影できないかもしれない」という強い切迫感とともに、この写真をここに書き残します。

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